賃金改善を目指した2006春季生活闘争を検証!
連合富山第30回地方委員会 開催! |
1.連合富山の政策制度要求実現と春季生活闘争との関わり
2.中小共闘センターの取り組み 3.結びに |
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2.中小共闘センターの取り組み |
日本の景気は回復傾向にある中で、依然、中小・地場においては依然厳しい状況が続き、企業間、業種間、男女間、地域間、正・非正規社員など二極化を突破すべく、積極的な賃金の底上げと格差是正に向け取り組みを進めた。 |
(1) 第1回の中小共闘センターでの確認 |
1.連合富山中小共闘センターとしての目指すべき水準について |
中小・地場組合の各労使交渉においては、具体的な水準論議の材料として平均要求金額の提示が必要との判断から本年も継続し、以下の要求を掲げ闘うことを確認した。 |
1) 中小・地場組合に対する要求の基本として以下の4点を挙げて取り組む
@「賃金カーブ維持分」を確保したうえで「賃金改善」に取り組む
A規模間や男女間の格差是正、均等待遇の実現に向け継続的に取り組む
B全従業員対象の企業内最低賃金を協定化する。
C労働時間管理の協定化と長時間労働の削減に向けて取り組む
2) 具体的目安としては
・賃金カーブの算定が可能な組合
・労使で確認した賃金カーブ相当分(*4,500円)+賃金改善分(2,000円)を獲得の金額目安をとる。
*賃金カーブの算定が困難な組合の場合、賃金カーブの確保相当分4,500円(目安)
○格差是正のための水準目標値
・35歳所定内賃金 233,000円
○環境が整っている組合の格差是正要求は
「環境是正分として、上記に上乗せする」
3) パート共闘の展開
・パート賃金の時給あたり10円引き上げを掲げ闘う。 |
2.地域ミニマムの取り組みについて
中小労働者(加盟・未加盟・未組織)に対して『この年齢で○○円以下の賃金をなくす』という賃金水準を実際のデータに基づき算定し、中小各労使の交渉への指標とする。 |
3.連合富山中小共闘センター2006年度の取り組みについて
・賃上げ、妥結情報の的確な提供
解決組織に積極的な情報開示(定昇に相当する具体金額やポイント年齢での水準等)
連合富山の広報ツールも有効に活用し、業種別・規模別にタイムリーな情報提供をめざす。
・妥結基準・妥結ミニマム水準提示
連合本部で検討された水準・県内中小の状況を勘案し決定時期、表示方法を設定した。
・未解決組合への支援
「未解決労組への解決促進行動」について、本年も解決支援促進集会の実施と未解決労組への激励オルグを中心に展開する。
・最低賃金改定に向けた富山労働局への要請の取り組みを確認した。
・パート集会について、中小共闘センターとして取り組みを支援する。
以上を確認し、取り組みを行った。 |
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(2) 妥結基準・妥結ミニマムの設定 |
1)妥結基準の設定
@賃金カーブ算定が可能な組合は、カーブ維持分に1,000円以上の上積みを目指す。
A賃金カーブ算定が困難な組合は、5,000円以上を獲得する。
Bまた上記の水準に到達せず、厳しい企業環境下ある場合は、引き続き粘り強い交渉
を継続し、有額回答の引き出しと上積みを目指し、早期解決への努力を継続する。
<今後の取り組み>
@本部・地方構成組織の協力で解決組合の情報開示促進。
A未解決組合への解決促進支援行動強化。(連合富山・構成組織が協力し行動展開)
B地協の構成組織の連携による後続組合・未解決組合への波及行動を展開
C4月中旬を目途にそれまでの妥結状況および連合本部の方針を勘案し、連合富山と
しての「妥結ミニマム金額」を示し中小の厳しい戦いを最後まで支える。 |
2)妥結ミニマムの設定 |
@ 賃金カーブ算定が可能な組合は、賃金カーブ確保相当分を目指す。
A 賃金カーブ算定が困難な組合は、4,500円以上を確保する。 |
<解決促進・支援の取り組みについて> |
@ 厳しい状況におかれている未解決の中小労組に対し、支援・激励行動を行い解決促進を図った。また、同時に新聞などマスコミ媒体を活用し、県内未加盟・未組織労働者へのアピールも行った。
A 未解決労組に対する「解決支援オルグ」も構成組織、富山・高岡・砺波地協と連携して取り組んだ。(新川地協は地域要請がなく実施できなかった)
・富山地協 4月 7日 50単組
・高岡地協 4月 5日〜11日 9単組
・砺波地協 5月16日 1単組 |
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取り組み結果 |
1.賃上げの取り組み |
(1) 3月末要求組合は222組合(昨年比−18組合)6,294円(昨年比+527円)で妥結組合は77組合(昨年+3組合)4,204円(昨年比+121円)となった。3月時点の要求組合は昨年より減少、妥結額においては527円増加した。景気回復の影響から大手において賃金改善が図られた、中小においても改善傾向が見られた。 |
(2) 4月に未解決組合に対する中小未解決労組対する「解決促進・支援行動」を開催し未解決組合や未加盟、未組織への波及にも取り組んだ。又、4地協を中心に支援オルグを確認し、取り組みを行った結果、富山・高岡地協での実施となった。
4月17日に妥結基準である4,500円を提示し、4月月内決着に向け目標を提示した。
4月末現在では、要求組合が254組合6,141円で妥結組合は158組合3,909円となった。妥結金額においては昨年よりやや上回るとともに、妥結組合数は昨年同時期より増加した。 |
(3) 5月23日現在では要求提出組合268組合5,796円(2.38%)の要求で、妥結組合は223組合4,550円(1.76%)となり、要求提出の83.21%の妥結となった。
今年は、300人以上の組合が前年度を大きく上回り5月23日現在で344円の上積みを獲得したが、99人以下の組合は、昨年実績より−91円低い結果となった。賃金の格差是正を目標に取り組んだが、中小と大手の格差改善にはいたらなかった。これからの交渉はより厳しさが益す状況にあるが、中小共闘センターを軸に構成組織と連携強化を図り、粘り強く共闘を展開し全ての組合で有額回答の引き出しを求めて支援していかなければならない。
尚、今年の取り組みの中でベアの勝ち取った組合や昨年の賃金カット分を取り戻した組合もあり、これからの闘いに生かしていかなければならない。 |
<規模集計>(5/23現在の妥結組合
加重平均ベース)
300人以上 34組合 5,165円 1.77%
100〜299人 51組合 4,071円 1.77%
99人以下 138組合 3,597円 1.70% |
(4) 一時金の取り組みは、景気回復が一時金に反映するところが少なく、大手・中小とも昨年実績を下回った結果となった。しかし、99人以下の組合において昨年実績を上回った結果となった。これは、賃上げの伸び悩みを一時金で答えたものと思われる。
結果は5月23日現在、要求126組合中妥結82組合加重平均500,084円(昨年実績−28,350円)となった。 |
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2.2006春季生活闘争における具体的取組の評価と課題 |
(1) 政策・制度の要求と実現の取り組み |
連合富山は4地域協議会と連携をはかり給料日に「サラリーマン大増税阻止」の駅頭街宣を行ってきた。街宣に当たっては各構成組織からの訴えも行われた。また、新川・砺波地協では新たな取り組みではあったが、地域における運動強化としての一定の成果を上げることができた。
地域の組合員より地協の「ガンバリ」が見えたとの声ももらった。これからも、組合員および地域に根ざした運動に取り組んでいかなければならない。 |
(2) 賃金の課題 |
1.賃金改善の取り組み |
今年は、「カーブ維持分を確保した上で、積極的な賃金改善に取り組む。そして、月例賃金の改善を最優先し、年間収入の維持・向上をめざす」との基本的な考え方を示し、中小共闘センターを立ち上げながら取り組みを進めた。
「賃金改善」として目標を掲げ取り組んだことと、景気回復も反映し大手は昨年実績を上回る成果を上げた。しかし、99人以下の組合において昨年実績額を上回ることができなかった結果となったが、8割の組合で昨年をクリアーしたものの、一部の組合で昨年実績を下回る結果結果となった。また、情報開示も以前より進んだものの、依然文字表示のところも残っている協力要請を続けなければならない。今後の課題としポイント年齢比較が出来る形の検討しなければならない。 |
2.中小・地場組合の賃金改善 |
単組は、自らの賃金実態を把握し、賃金カーブ維持分を確保する。さらに、社会水準や生計費の比較、時系列での分析などを行い、賃金改善に取り組む。また、ミニマム運動に参加することを目指し取り組みを進めた。
具体的に賃金改善分として2,000円を提示し、連合参加組合および、未組織労働者に対してのメッセージを発信して取り組みを行った。
具体的取り組として、3月月内決着を基本に情報提供を中心に取り組んだ結果、昨年より妥結組合は多くなった。4月に入り全体の平均妥結金額が4,834円となったことを受け、妥結基準として、カーブ維持+1,000円以上の上積み、または5,000円以上を提示し、未解決組合に対し支援集会や支援オルグを行った。4月の中旬には妥結ミニマムとして賃金カーブ維持分または4,500円を確認し取り組みを行った。4月29日現在3,909円となった。
賃金カーブの維持分の労使確認に取り組んだが、依然、賃金カーブを確認するところまではいかなかった。賃金体系の有無が賃上げ結果に大きく影響している事から、この取り組みは、引き続き行っていかなければならない。また、賃金カーブがないところは春闘終了と同時に会社に対し「賃金カーブ・賃金体系」について申入れを行っていかなければならない。 |
3.男女間の労働条件格差の是正 |
賃金実態の把握や仕事の与え方、配置、昇進・昇格基準などの改善を掲げ取り組みを進めた。今後の調査などにより取り組みを検証していかなければならない。 |
4.一時金の取り組み |
産業間・企業間・規模間では企業業績によって大きくばらつきが出ている。年収ベースでとらえた賃金格差は拡大をしている。今後は、月例賃金の改善を主に取り組まなければならないが、年収ベースでとらえた賃金格差の縮小にも取り組まなければならない。 |
(3) パート労働者等の待遇改善 |
パートの時間給の改善は一部の単組で実施されたが、全体的な取り組みにはいたらなかった。
パート集会を開催し、パートで働く皆さんの公を聞くと共に、処遇改善の必要性や組織化についても研鑽を深めた。今後も引き続き、情報収集に取り組み処遇改善および組織化につなげていかなければならない。 |
(4) 最低賃金の課題 |
企業内最低賃金の協定化
企業内最低賃金の協定化は徐々に進んでいるが、今後、すべての組合での協定化をめざし、取り組みを強化する必要がある。 |
(5) 労働時間、働き方、ワークルール確立の課題 |
@ 不払い残業撲滅に向け、労働局や経営者協会などに要請を実施し、撲滅に向け取り組みを進めた。今後も引き続き不払い残業撲滅運動の徹底をしなければならない。
A 高年齢者雇用安定法への対応として、希望する者が全員65才まで就労が可能となる制度をめざし取り組みを進めた。今後の調査活動のなかで制度内容を把握していく必要がある。
B ワーク・ライフ・バランスについては、社会的関心が高まっており、経営側にも、人材確保の観点から前向きに検討しようとする傾向が出てきた。今後、全体的に広げていかなければならない。
C 男女平等の働き方の実現では、次世代育成支援法実施に伴う、300人以下の事業所に対し行動計画の策定に努力するよう、労働局、均等室、経営者協会など各種団体に申し入れた。計画策定の拡大に努力しなければならない。 |
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結びに |
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以上、連合富山、地協、構成組織、加盟組織が一体となって「賃金改善」をはかり、賃金の底上げと格差是正を求め闘いを進めてきた。今春闘は、賃金カーブ維持・確保+賃金改善を打ち出し明確な目標を打ち出したことによる結果が求めることができた。しかし、99人以下の2割の組合では昨年を上回る結果が得られなかった。中小組合においては、今後も引き続き格差是正取り組まなければならない。また、明確な格差比較において、賃金引上げ要求内容が統一されていないため、平均額の比較はわかるもののポイント年齢による1年1歳間での比較ができない状況にある、今後の課題としなければならない。
パートの改善については、一部の構成組織で時間給の改善に取り組み成果を挙げたが、多くの組合では要求されなかった、組織化も含め積極的な改善に取り組まなければならない。高年齢者再雇用については、法改正もあり多くの組合で協定化が進めることができたが、すべての組合において協定化できるよう今後も取り組みを行わなければならない。
今後は、大手・中小、地域間格差など格差拡大阻止と二極化の是正に目を向けた取り組みと、雇用形態の多様化により正規社員から非正規社員へのシフトが多く見られることから、賃金・労働条件改善などの均等待遇に、より一層目を向け、組織化も含め最重点課題として取り組まなければならない。
私達連合富山は、構成組織はもとより県内に働く勤労者に目を向け、労働者の賃金・労働条件の底上げをはかる取り組みを強化しなければならない。
最後に、今年富山交通労働組合が20年ぶりにストライキに突入した。経営側の対応に屈することなく、組合員の団結により粘り強く交渉が行われ、一定の成果を挙げたことは、今後の我々闘いに生かしていかなければならない。富山交通の皆さんにエールを送りたい。 |
自治体選挙の推薦について |
2006年11月施行予定の氷見市議会議員選挙および2007年の統一自治体選挙の県議候補予定者の推せんについて以下の通り確認しました。 |
○富山県議会議員選挙<第1次> |
・富山選挙区
坂野裕一(民、現2期)42歳 横山真人(社、現4期)63歳
田尻 繁(社、現1期)54歳
・高岡選挙区
山上正隆(民、現1期)51歳 |
○氷見市議会議員<第1次>
酒井康也(社、現1期)54歳 古門澄正(社、現1期)57歳
谷口貞夫(社、現1期)60歳 |
1.連合富山の政策制度要求実現と春季生活闘争との関わり
2.中小共闘センターの取り組み 3.結びに |
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